アイヒデは、客先常駐開発は行いません。

目次

アイヒデの考えるシステム開発とは

仕事は楽しく、人間関係は良好であれ!

私自身若い頃はずっとこの客先常駐型開発、SES開発をやってきました。昔は、常駐先企業とも良好な関係を保ち相互に発展できる土壌がありましたが、バブル景気がはじけ、リーマンショックを経験したその後は、徐々にではありましたが、私が若い頃のそういった仕事をさせていただける職場は皆無に等しくなってきているように思えます。
若い方々には、昔をご存じないので今を当たり前と捉えているのかもしれませんが、数ヶ月毎に変わる常駐先企業で、肩をすぼめて働くその場では、良好な人間関係や仕事を楽しくすることなんて考えもつかないことでしょう。
私はエンジニアの一人として、エンジニアの理想的な職場を求めてきました。得てしてこれまでは我が社のソフトハウスとしての発展の阻害要因にひょっとしたらなったのかもしれません。それでも、人をものとして扱う客先常駐型開発、SES開発を行う企業の御用聞き営業にはなるまいと肩肘張って頑張ってきました。それもこれもエンジニアが、良好な環境で仕事をする意味では、既に客先常駐型開発、SES開発では無理だと思っているからです。

ブラック企業の定義って、どう考えますか?

たまに客先常駐型開発、SES開発を行う企業の営業さんから「情報交換をしましょう。」「いい仕事があるので一緒にやりましょう!」と声をかけられますが、一応表向きにはご丁寧なお断りをさせていただきますが、時間の無駄だと思っております。電話やいきなりノンアポイントで訪問された時には、「時間泥棒!」と叫びたくなるくらいの怒りを覚えます。
私は、IT業界の中で客先常駐型開発、SES開発を行なっている企業はブラック企業と言っていいと思っております。なんの付加価値も持たないくせにエンジニアから中間搾取しているだけの吸血鬼です。法の目を潜って偽装請負を繰り返していますが、はっきりいって違法行為のケースが多いです。
一般的に世の中では、サービス残業をさせたり、休みもろくに与えない企業をブラック企業と呼ぶようですが、これらに加え、エンジニアをものとして扱う御用聞き営業をしている事業者もブラック企業として認知すべきです。

安定する事業基盤、しかし不安定な経営資源

こういった客先常駐型開発、SES開発をやる企業って、人(エンジニア)そのものが経営資源です。この唯一の経営資源を顧客に貸し出し賃料を受け取るのです。この唯一の経営資源をほとんどコストも掛けずに事業運営するので、事業は安定します。そうなれば経営資源は、多くなればどんどんと事業は会社は大きくなるので、社会的にもそれなりの認知もしてもらえるようになりますし、人(エンジニア)も集まるようになります。しかし、大事な経営資源は、ものでなく感情を持った「人」なのです。激変してきた社会情勢の最前線に無防備なエンジニアは立たされ、毎日大変な思いで仕事をしているのですから、それはそれは心身の消耗は激しい。あまり長く続くとついには、「心」あるいは「身体」に変調を来し、休業に追い込まれてきた事例は山のようにあることでしょう。
それでも客先常駐型開発、SES開発をやる事業者はタフです。次から次に経営資源を継ぎ足せばいいと思っていますから、よその会社から飲めや遊べの接待漬けで無理やりエンジニアを引き抜いたり(こういうことをする企業もブラック企業だと思っております。)、強引な手法で他社のエンジニアを引き抜いたり・・・まさに血で血を洗う殺伐としたラットレースを繰り返しているわけです。
こんな環境には、エンジニアの理想とする職場はありません。不毛なラットレース場で踊らされる不運な状況に気がつくエンジニアたちは、その場から逃れようとします。エンジニア達も馬鹿ではない訳ですから。ひと時すればエンジニアは、一人抜け二人抜けして気がついたら誰もいなくなっている状況をこれまでにたくさん見てきました。

IT業界で30年残ってきた企業は?

この凄まじいIT業界で、気骨に理想を求めて客先常駐型開発、SES開発をせずに頑張った企業もたくさんありました。しかし、30年継続した企業を私は知りません。もちろん、メーカーさんや超大手の場合は別です。独立系のIT企業(いわゆるソフトハウス)で、30年生き残ってきた企業をあまり見たことがないのです。
しかし、客先常駐型開発、SES開発は、これまでの30年で生き残ってきた企業は、実は沢山あります。これまでは国も弱者(に見える)を守る姿勢を見せていましたが、本当の弱者が誰かに気がついたので、法律を変えてきました。偽装請負が出来なくなり、派遣法の改正も進んで、いよいよ客先常駐型開発、SES開発は待った無しの状況になってきている(はずです)と思います。

私自身も客先常駐型開発、SES開発はやってきました。
心にモヤモヤしたものを持ちながら。
自分に嘘をつきながら、やってきました。
社員の生活を守るために。事業を安定させるために。

しかし、派遣法が改正になったこの機会に覚悟を持って、
客先常駐型開発、SES開発を卒業しようと思います。
その覚悟の証として、今までの自分と決別します。
これまでと違う働き方を求められます。不安ですが、進むしかありません。

来るべきが来るだろうと
だいぶん前から準備は少しずつしていました。

・・・ですから、私は、アイヒデは、
客先常駐型開発、SES開発を行いません。
御用聞き営業の方、私は忙しいので時間を奪わないでください。

目次